首里城再建 無線で応援 日本アマチュア連盟県支部が局設置、支援呼び掛け 国内外8000局と交信


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交信で首里城の早期再建への支援を呼び掛ける日本アマチュア無線連盟県支部のメンバーら

 首里城の早期再建を願う声が、電波に乗って国内外から沖縄に届いている。日本アマチュア無線連盟県支部(波平元範支部長)は今年初め、アマ無線愛好家が交信できる「首里城再建支援特別局」を設置し、電波を通じて支援を呼び掛けている。これまでに国内外の約8千局と交信が成立。17日には首里城公園内にアンテナや無線機を設置して公開運用を行った。

 昨年10月31日未明の首里城焼失後、愛好家たちの動きは素早かった。「アマ無線を通じて何か支援ができないか」。翌11月1日、県支部は連盟の九州地方本部長に対し、首里城焼失を伝える新聞の号外や特別局開設を要望する文書を送付。総務省の協力もあり、年末には「8N6SHURI」をコールサインとする特別局の免許状が交付された。

アマチュア無線を通じて首里城の早期再建への支援を呼び掛けている波平元範さん(右から2番目)ら

 電波法上の規定があり、寄付の呼び掛けや金銭に関するやり取りはできない。応答があった場合には「再建支援に向けて動き出しているので引き続き応援をお願いします」「一部施設は見学可能なのでどうぞお越しを」などと呼び掛けている。17日の交信では、応答した茨城県の男性が「また(首里城に)お邪魔したいと思います」とエールを送った。

 アマ無線では、交信成立を証明する「QSLカード」を交換することが愛好家の楽しみの一つだ。首里城の特別局のQSLカードは焼失前の正殿の写真が使われている。

 今年1月の運用開始時から反響があり、県支部長の波平さんは「沖縄観光の思い出話や、火災を残念がる声が国内外から多く寄せられる。趣味を通じた社会貢献につながるとうれしい」と語る。

交信が成立した相手に送られる「QSLカード」

 特別局の運用は年末まで。普段は県支部役員が自宅などで運用しており、11月と12月にも首里城公園内での公開運用を予定している。県支部によると、県内には300~400人のアマ無線家がいる。