沖縄県立那覇高校の創立110周年記念講演が17日、那覇市松尾の同校で行われた。25期生(1972年卒業)の南風原朝和東京大学名誉教授(元副学長)が東京からビデオ会議システムを通じて講演した。南風原氏は在校生に「視野を広げて」と進路選択でアドバイスした。新型コロナウイルスの対策として、大講堂や各教室で動画を視聴した。
南風原氏は、県立二中時代を含めた同高の歴史、在校時の思い出のほか、自身の進路選択を振り返り、専門の心理統計学について説明した。国費で入った東京工業大を、学びたい分野に進めなかったために中退し、東大を目指して受験勉強した際は「教科書を理解することを重視した」と話した。
在校生に向け、進路選択については、自身が文系と理系の融合した分野と出合い究めた経験を踏まえ「視野を広げると共に、未知の世界に対し柔軟な構えを持つ必要がある」と述べた。「学習のポイントは本質の理解、『本分かり』の追求に尽きる。その上で自分の強みを見つけてほしい」とメッセージを送った。
生徒を代表して村上潤弥さん(2年)があいさつし「学校の長い歴史の重みを感じた。進路選択で視野を広げ、一層勉強に励みたい」と話した。