シークヮーサー 肥満予防 県研究 食品開発で需要喚起


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シークヮーサーの中性脂肪低減効果について発表する玉城デニー知事=23日午前、県庁

 県は23日、県産シークヮーサーの機能性調査研究の結果、果汁に含まれるポリフェノール類に中性脂肪を低減させる効果が確認されたと発表した。シークヮーサー果汁の摂取で肥満予防が期待でき、県として機能性表示食品の開発や県産シークヮーサーの需要拡大など産業振興につなげていく考え。

 約50人を対象に、100%濃縮還元のシークヮーサー果汁飲料を摂取するグループと、プラセボ(偽薬)グループに分け、朝晩2回、計190ミリリットルを摂取してもらった。12週間続けたところ、シークヮーサー果汁を摂取したグループはプラセボ群に比べ、中性脂肪の低減効果で有意な差が見られた。

 シークヮーサー果汁にはノビレチンやタンゲレチン、ヘスペリジン、ナリルチンといった、抗酸化作用のあるポリフェノール類が多量に含まれる。ポリフェノールが持つ「膵リパーゼ阻害活性作用」で中性脂肪が作られるのを阻害し、中性脂肪の低下につながったという。

 中性脂肪が増加すると脂肪肝や糖尿病につながるリスクがある。

 調査研究は県の「おきなわ型農作物ブランディング推進事業」として、クロックワーク(那覇市)、JAおきなわ(那覇市)、北海道科学技術総合振興センター、北海道情報大学の4者コンソーシアムが、2017年度から19年度にかけて行った。

 県流通・加工推進課の馬場剛班長は「シークヮーサーの需要を喚起し、生産振興につながる取り組みにつながれば」と話した。