不利なルールで「集中できた」走り高跳び岸本、最高の結果 円盤投げ友利は「大きな自信」


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 陸上の全国高校大会2020兼U20全国大会第1日は23日、広島市のエディオンスタジアム広島で行われ、女子U20走り高跳びの岸本志恵(中部商―日本女子体育大1年)が1メートル73で全国初優勝した。

 女子高校円盤投げで友利晟弓(那覇西高1年)が44メートル04で頂点に立った。


岸本「集中できた」

自己ベストタイ記録の1メートル73を成功させ全国一に輝いた岸本志恵(本人提供)

 新型コロナウイルスの影響で跳躍は2回連続失敗で競技終了となる特別ルール。通常の3回目はない。U20女子走り高跳びの岸本志恵(ゆきえ)は「逆に集中できた」とプラスに捉えた。2回目で自己ベストと並ぶ1メートル73を成功させ、初の全国一に輝いた。今季最後の大会を最高の結果で締めくくった。

 1メートル60、65、69を1回でクリアし、再び自己ベストタイ記録を出した。スピードのある助走が持ち味で、最近助走の歩数を短くし改良を加えたという。1メートル76は越えられなかったが「踏切までのタイミングをきっちり合わせられた」と好調さを振り返った。

 大学では走り込むメニューよりも、跳躍力を上げる専門的な練習が増えた。「踏み込む瞬間の体の使い方、瞬発力や地面からの反発力のもらい方など技術面重視で取り組んでいる」と語る。同じ種目の仲間からも「刺激を受けている」と存在の大きさに感謝する。

 目標は県記録1メートル80の更新。来季に向け、冬のトレーニングで体を鍛え直す。「基礎的な練習で土台をつくり、高さにも慣れておきたい」と実践を含めたメニューで飛躍を目指す。

 仲良しの双子の姉・優美(ゆみ)は東京女子体育大で短距離選手として活躍する。全国一を祝福し「真っ先に喜んでくれた」と声を弾ませた。


友利「大きな自信」

 1年生ながら友利晟弓(那覇西)が女子円盤投げで全国1位を射止めた。2投目の44メートル04がトップの成績となった。1投目で上位8人に残りつつ「寒さで指先の感覚が鈍っていた。かかりがよくなかった」と次に向けて修正を図った。2投目。フォームはそのままに指先へと感覚を全集中。指先にまでこだわる投てきで記録を伸ばした。

 全国一は伊良波中2年の時以来。18日の全九州新人大会では44メートル70の大会新で優勝。記録は下回ったが「全国一になれたことは大きな自信になる。1年生のうちに45メートル台を目指したい」と大きな糧を得てさらなる成長を誓う。