日本代表にも選出され、東京五輪出場を目指していた陸上男子400メートルの木村淳(29)(中部商高―中央大出、大阪ガス)が26日までに、現役引退を決めた。同日、琉球新報の電話インタビューに応じ「大学4年だった2013年に東京五輪の開催が決まり、(20年までの)7年間の挑戦に一点集中していた。延期になってもそのスタンスは変わらなかった」と今季限りで引退する理由を語った。
24日に自身のツイッターで引退を報告した。9月で今季の全試合を終え、今月上旬には引退を決心していたという。
日本記録の更新や東京五輪出場の目標を果たせず「志半ばで終わり、もちろん寂しさはある」と本音を明かしたが、「前は陸上を取ったら自分には何も残らないと思っていたけど、競技を通して多くの人と出会い、人生が豊かになった。今は陸上が自分の人生の一部くらいに思えていて、すっきりした気持ち」と晴れやかに語った。
今後については、大阪ガスの社業に専念することを前提に「自分が培ってきたノウハウを沖縄に還元できればと思っている。機会があれば指導もしたい」と前向きに語った。今月の全国中学生競技大会で平川慧(あげな中)が自身が持つ県中学記録を14年ぶりに更新したことにも触れ「彼のような選手にも自分の経験を伝えたい」と話した。
400メートルの自己ベストは県記録の46秒00。21秒02の200メートル県記録、47秒23の400メートル県高校記録も持つ。2018年には日本選手権で2位に入り、同年のアジア大会で日本代表として男子と男女混合の1600メートルリレーに出場するなど、沖縄スプリント界を先頭で引っ張ってきた。