エビ大量死、感染源は輸入稚エビ 「海域への影響低い」 農水省会議


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国内で初確認となるエビの特定疾病「急性肝膵臓壊死症(AHPND)」が発生した養殖場で処分されるバナメイエビ(県水産課提供)

 農林水産省の専門家会議は26日、沖縄県大宜味村内のバナメイエビ養殖場で発生した急性肝膵臓壊死(すいぞうえし)症(AHPND)の原因について、養殖業者がタイから輸入した稚エビの可能性が高いとの結論をまとめた。8月28日~9月13日に養殖場の排水が近隣の海に流されたことについては、「この期間には病気の発生は終息していた可能性が高い」とし、周辺海域でAHPNDが発生した可能性は低いとした。

 輸入した稚エビは7月下旬から8月8日までの間にタイで感染し、大宜味村の養殖場に到着後、発症した可能性が高いという。養殖場で病気が発生した時期は8月中旬から下旬にかけてで、この期間はエビの死骸などは適切に処理され、排水も消毒されていた。

 消毒がされずに排水が海に流された期間は病気が終息していた可能性が高いことや、海水を利用した別の養殖場で現在まで感染疑いもないことから、排水を原因とするAHPND発生の可能性は低いという。

 県は万全を期すために、周辺海域に生息する甲殻類の感染の有無を調べるモニタリング調査を11月はじめにも行う方針。

 県水産課の能登拓課長は「県としてモニタリング調査をすることで、県内クルマエビ養殖事業者や消費者に安心してもらいたい」と話した。

 県はまん延防止措置として、現在、養殖場内の関連施設の消毒作業を進めている。補償額については今後検討する。農水省の専門家会議は26日が2回目の開催。今後は、状況次第で必要があれば開催するという。