沖縄の次期振興計画「進化した展開目指す」 審議会で玉城知事が延長と拡充要望


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沖縄振興審議会で次期沖縄振興の在り方について議論する玉城デニー知事(奥左端)と河野太郎沖縄担当相(手前右端)=28日、東京

 【東京】玉城デニー知事は28日、内閣府の第34回沖縄振興審議会に出席し「より進化した振興策の展開を目指したい」と次期計画についての考えを明らかにした。政府との対立が続く、普天間飛行場の移設問題と沖縄振興との関連について「(基地と振興は)リンクすることではない」との認識を示し、引き続き政府に名護市辺野古への基地移設を断念するよう求める意向を強調した。

 会合には、河野太郎沖縄担当相も出席した。現行計画が2022年3月末で期限切れになるのに伴い、約1年にわたって行われた現行計画の調査審議の内容を取りまとめた中間報告が出された。

 報告では、ソフト事業の一括交付金や、税制優遇の効果など複数の項目について検証が必要との現状認識を示し、振興策の「選択と集中」を進めるとした。

 玉城知事は、現行計画で「観光産業や情報通信産業の分野では大きな成果を上げた」と指摘した。一方、他県との所得格差や離島振興の遅れ、米軍基地から派生する問題などで「自立的発展は道半ば」として沖縄振興特別措置法の延長と特例措置の拡充に理解を求めた。

 次期振興計画については「大胆な制度の下で新時代沖縄を展望し得る、より進化した振興策の展開を目指したい」とした。河野氏は「データなどのエビデンスに基づいた議論をしっかりやっていただきたい」と検証の必要性を強調。「沖縄の潜在力を引き出していくために何をすればいいか、しっかりと擦り合わせをして次につなげていきたい」との認識を示した。

 一方、玉城知事は、菅義偉首相が推進する辺野古への基地移設について「辺野古が唯一の解決策というのはもはや過去の話」と指摘。「基地負担軽減について真摯(しんし)に話し合っていきたい」と述べた。