映画「沖縄戦」の太田監督 製作秘話を語る LA日本映画祭で受賞 シアタードーナツで上映中


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ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で映画の製作秘話などを語る太田隆文監督=18日

 【沖縄】沖縄戦の実態を伝える映画「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」(太田隆文監督)が沖縄市のカフェ映画館「シアタードーナツ・オキナワ」で上映されている。映画は4日に米ロサンゼルスで開催された映画祭「ジャパンフィルムフェスティバルLA」で最優秀賞に当たるベスト・ドキュメンタリー賞を受賞。太田監督が18日の上映後、シアタードーナツ・オキナワの宮島真一代表とビデオ会議システム「Zoom」(ズーム)を通してトークライブで製作秘話などを語った。

 映画では1945年3月の米軍上陸から時系列で沖縄戦の経過をたどる。戦禍をくぐり抜けた体験者の証言や米軍の記録映像、専門家の解説などを通して沖縄戦の実相を捉えた。

 和歌山県出身で東京在住の太田監督は、自身も映画製作を通して沖縄戦と向き合ったことから「沖縄戦を知らない初心者が見て分かる映画を作る必要があると感じた」と振り返った。受賞について「アメリカの視点など多様な角度から沖縄戦を描くことを意識した。米国人も知る必要がある」と語った。

 体験者の高齢化が進む現状に「5年、10年後は話を聞けない。時間との戦いだということを心にとどめた」と話し、観客に向けて「沖縄戦を見詰めることで現在の世界や日本の実態が分かる。一人でも多くの人に伝えてほしい」と訴えた。

 11月11日まで上映。問い合わせはシアタードーナツ(電話)070(5401)1072。