開催中のリゾテックオキナワは10月31日、公開シンポジウムを開催し、星野リゾートの星野佳路代表が「星野リゾートのイノベーションを支えるテクノロジー戦略」と題してオンラインで講演した。
星野氏は「日本は全ての旅行を探す時に場所別から始まることに課題がある」と指摘。行き先が決まっていない人に提案ができていないことや、満足度が低くても有名な観光地の宿は稼働が上がり、満足度が高くても無名な場所は稼働が低くなる問題点を挙げた。
星野リゾートではCS(顧客満足)データを把握している自社の強みを生かし、満足度の高い人に優先的に情報発信をする仕組みや、OTA(オンライントラベルエージェント)を通じて予約した人に、より最適な宿を案内する「アップセル」という手法で満足度を高めていることなどを説明した。
講演後、県内外の4氏を交えたパネルディスカッション「リゾテックが拓く、その先の未来~対応・適応から進化へ」に移り、感染症収束後を見据えた観光の姿を議論した。
リクルートライフスタイル沖縄の有木真理社長は「アフターコロナで戻って来るマーケットと、戻らないマーケットがある」と指摘。コロナ後の市場で新しい魅力を発信するには「生産性向上が重要だ。DX(デジタルトランスフォーメンション)はその手段」と述べた。
沖縄ツーリストの東良和会長は「宿泊施設という点ではなく、町全体、通り全体が宿泊施設になるような再開発をすることがワーケーション誘客の鍵になる」と、これからの沖縄観光の方向性を述べた。
この他、稲垣純一リゾテックおきなわ国際IT見本市実行委員長、ソフトバンクの柴山和久ビッグデータ戦略室長が登壇した。