サッカーの第99回全国高校選手権県大会最終日は1日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで決勝が行われ、那覇西が西原を3―1で退けて、2年ぶり17度目の優勝を果たした。那覇西は全国選手権(12月31日~21年1月11日)への出場を決めた。
1―1で折り返したハーフタイム。サイド展開をしつつも、チャンスメークで終わっていると見た那覇西の平安山良太監督は「裏に抜けて、自分から決めに行こう」とハッパを掛けた。敏感に反応したのは今大会でいまだゴールのないMF上原琉暉。「自分が決めたいという欲が出た」。後半のピッチに立つとゴールへの嗅覚を研ぎ澄ませた。
後半立ち上がりに西原に攻め込まれるが13分、敵陣で上原がボールを持った。同時に、MF上地悠智が右隣で駆け上がり、DFとGKの注意を引きつける。サイドにパスを送る選択肢もあったが、上原は「コースが見えていた」と右足で地をはうシュートを決めた。
2点目についてMFの照屋圭人は「バイタルエリアからいろいろパターンがある。何でもできる」と振り返ったが、前半18分の先制点も攻撃パターンの多彩さを物語っていた。先制機のコーナーキックでFW辺土名亘はバイタルエリアが敵で埋まっていたため、ゴールから離れていくように巻く軌道で蹴る。2人がスルーしてDF仲西泰盛が頭ではじき、ゴールに押し込んだ。
全国の県勢最高位は那覇西が記録したベスト8で、2年前は2回戦で敗れた。17回目の全国に山川樹主将は「同級生には負けるつもりはない。自信を持って堂々と挑む」と意欲をたぎらせた。
(古川峻)