高校野球の秋季九州大会(第147回九州地区大会)第2日は1日、長崎県諫早市第1野球場などで1回戦の残り4試合が行われた。春秋通じて、初の九州大会出場の具志川商が4―2で東海大熊本星翔(熊本1位)を下し、8強入りを決めた。初回に2点を失ったが、直後の攻撃ですぐに追い付き、二回に勝ち越し点を挙げる。ヒットエンドランなど持ち前の機動力を生かした攻撃で加点。最後までリードを守り切った。次戦は2日午後0時半から、長崎県営野球場(長崎ビッグNスタジアム)で福岡大大濠(福岡1位)と対戦する。
新川“1”背負い堂々完投 機動力伸び伸び発揮、8強
本盗にヒットエンドラン―。具志川商が機動力野球を伸び伸びと発揮した。九州での初勝利だが粟國陸斗主将は「大きな一勝だが、もっと上を目指している」。喜びを静かにかみしめ、すでに気持ちは次の大一番へと向いていた。
県大会はリリーフ起用だった新川俊介が今大会で初めてエース番号を背負い、初先発で完投も成し遂げた。緊張からか初回こそ失点したが、その後は守備の助けも借りて好投。変化球でカウントを稼ぎ、走者を背負ってからは「強気のピッチングで攻めた」と直球勝負で手玉に取った。継投も考えたという喜舎場正太監督だが「新川が大きな成長を遂げた日になった」と一皮むけた右腕を手放しで褒めた。
機動力にも磨きがかかった。6度試みた盗塁は四つが成功。追加点が欲しい五回2死一、三塁で一走の狩俣伊吹が二盗を試みるがスタートに遅れ「アウト確実」(狩俣)。切り替えて一、二塁間でわざと挟まれると、その間に三走大城勢武太(せんた)が本盗を成功させた。大城は「思わずガッツポーズが出ちゃいました」と喜びを爆発させた。
あと1勝で甲子園がぐっと近づく。ナインは浮かれることなく、頂を見据えている。
(上江洲真梨子)
二塁手・島袋 随所で好フィールディング
外野に抜ける強い当たりを次々と処理した。県大会で好守を発揮した具志川商の二塁手、島袋大地が九州でもいつも通りの好フィールディングを見せた。
勝ち越した直後の三回表、先発の新川が先頭打者を飛球で打ち取ると「ここでいい流れにしたかった」。テンポ良くアウトカウントを重ねようと、念じて打球を“呼んだ”。次打者の強く鋭い打球に飛び付いてキャッチ。「俺のボールだと狙っていた。意地でも取るつもりだった」と華麗な守備で狙い通りにアウトを増やす。新川も応えるように三振を奪い、この回を三者凡退で終えた。
2点リードで迎えた七回の守りでは、1死一塁で遊撃の粟國陸斗と併殺に仕留め、相手の好機をつぶす。島袋は「常にゲッツーを狙っている」と胸を張る。準々決勝でも鉄壁の守備で打球を止めると力強く誓った。