コロナ対策 第三者の目で安心安全 嘉手納町が診断士を派遣 事業所への個別指導が好評


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店内の感染予防対策を評価する平良和雅さん(左)=10月26日、嘉手納町嘉手納のハナホウ

 【嘉手納】新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立たない中、嘉手納町は町内事業者が感染防止対策を取りながら営業を継続できるよう、衛生管理や経済面などから多角的に支援する取り組みを進めている。町から依頼を受けた中小企業診断士の平良和雅さんが各店舗を訪問し、事業主と面談しながら店舗ごとに必要な対策をきめ細かく指導。事業者側からも好評を得ている。

 支援事業は町商工会が中心となり実施している。平良さんが町独自のガイドラインを基準に確認していく。業種によって必要な対策が異なるため、個別に課題を解決していく仕組み。条件を満たした事業所には「感染症拡大防止取組店」のオリジナルステッカーを配布している。10月24日時点でステッカーを取得したのは69事業所で、今後も対象は増える見込みだ。

嘉手納町が発行しているステッカー

 また町は、町全域で感染防止対策への機運を高めていく狙いから、ステッカーを取得した事業所を対象に経済的支援も実施。感染防止対策に必要な設備投資や、事業継続、売り上げ向上につながる取り組みの費用の9割(上限20万円)を補助している。

 町嘉手納のハワイアンダイニング「ハナホウ」も、いち早く対策を取り入れた店の一つ。ダイニングテーブルには飛沫(ひまつ)防止のパーティションを設置したほか、カウンター席には間隔を空けて着席するよう促すポスターも掲載した。店主は「お客さんに安心して食事を楽しんでいただくためにも、感染防止対策は店側の大切な役割だ」と話す。

 パーソナルトレーニングジム「オダガワフィットネスプロ」もステッカー取得に向け、平良さんの個別指導を受けた。室内換気や運動器具類の消毒徹底、利用者やトレーナーの体調管理の注意点などを確認した。オーナーの小田川洋司さんは「対策は取っていても、見落としている部分があるかもしれない。利用者のためにも、専門的な助言を受けながらしっかり対策を取っていきたい」と述べた。

 町商工会の宮里昇一さんは「第三者の目を入れることで、より実効性ある対策に期待ができる。事業者支援が安心安全な店づくりにつながる」と述べ、町内の店舗の利用をアピールした。
 (当銘千絵)