乗り換え便利!「のりものナビ」来月から開設 複合検索が可能、MaaS実現へ


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 沖縄ICカード(那覇市、仲吉良次社長)は12月1日から、路線バスと沖縄都市モノレール、タクシーなどの経路や時間を複合検索できるポータルサイト「のりものNAVI Okinawa」を開設する。ITを活用して効率的な移動を可能とする次世代交通体系「MaaS(マース)」の実用化に向けた一環で、県内の公共交通機関の乗り換えや移動の利便性を高める。将来的には同社の交通系カード「OKICA(オキカ)」で買い物ができる決済機能を付与するなど、「地域型マース」の実現に向けて取り組みを強化する。

現在運用されている「バスなび沖縄」のサイト(左)と複合検索可能な新サイト「のりものNAVI Okinawa」のサイトイメージ

 ポータルサイトの新設は、現在運用されている「沖縄本島路線バス総合案内システム」(バスなび沖縄)をリニューアルする形となる。バスなび沖縄は1日平均で20万人が利用するなど利用率が高いものの、これまで運営主体が定まっていなかった。7月に同社が運営者となることが決まった。

 沖縄ICカードのマース構想は複合検索ができるサイト運営を進め、将来的には検索、予約、決済が一元的にできるよう機能拡充を図る。2014年に誕生したオキカは累計発行枚数が42万枚を超えており、スマホ決済との関連付けなど、商業施設で利用できるようカードの使い勝手を高める検討を進めている。

 仲吉社長は「住民のために、どのような公共交通機関であればいいのかを考えてきた。自家用車に依存せず、高齢者や交通弱者など人に優しい交通環境を構築することが急務だ」と狙いを語った。今後について「(マースの取り組みで)商業決済ができるようにすることで、資金を沖縄県内で回せる仕組みを構築していきたい」とし、取り組みを通して県内で資金循環が進むことも目指す。

 同社は公共交通を使った移動の促進に向け、スタンプラリーや体験型イベントの創出にも力を入れる。