沖縄県は2日、「稼ぐ力」をテーマにした万国津梁会議の第2回会合を那覇市の県市町村自治会館で開いた。県民所得の中央値が全国平均に追いつくことを目標に、沖縄の産業構造を見直して企業の稼ぐ力を高める方策を議論した。
イオン琉球の末吉康敏会長は、企業の合併・買収(M&A)を提案した。イオン琉球は、スーパーのプリマートと沖縄ジャスコが合併して誕生した。合併当時、大手スーパーの県内進出など小売業の競争が激化し、既存店の売り上げが前年割れしていたという。合併後は店舗の規模を拡大し、物流費のコストダウンにも成功した。
末吉会長は「(合併の)判断は正しかったと思う。県内では十分に競争に勝てるようになった。コロナ禍で沖縄の将来を考えたら、個々の企業の規模拡大は必要だ」と話した。
星野リゾートの星野佳路代表は、観光需要の平準化が課題だとした。沖縄はオフシーズンのホテル単価が低く、全国的に見ても繁忙期との差が大きいという。年間を通して安定して稼ぐことで従業員の所得向上につながり、優秀な人材を確保できると説明した。
リウボウホールディングスの糸数剛一会長は、県内企業は、量と質ともに商品の製造力が欠けていることが課題とした。これまではインバウンド(訪日観光客)が多かったためある程度の量は売れたが、コロナ禍で客の数が絞られてくると商品の質の高さが重要になると強調。糸数会長は「良い物を仕入れるだけでなく、作る力をどう付けていくかだ」と話した。
最終回となる第3回会合で玉城デニー知事への提言をとりまとめる。