米軍キャンプ・キンザー返還遅れも 嘉手納移設で配置見直し


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米軍キャンプ・キンザー=2018年9月

 【東京】米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群を嘉手納弾薬庫知花地区に移設する計画に関連し、弾薬庫内の施設配置が見直されていることに伴い、統合計画で最速2025年度としていた倉庫地区の返還時期が遅れる見込みとなっていることが4日、分かった。防衛省は米側と施設配置の調整を進めており、日米合同委員会で合意した基本計画(マスタープラン)を見直す。マスタープランの見直しは統合計画の策定後、初めて。

 嘉手納弾薬庫知花地区に移設後の施設配置を巡っては、米側が施設防護基準の適用の厳格化を求めていた。県も区域内を流れる与那原川の支障とならないよう配慮を求めていた。
 これを踏まえ、防衛省は米側と施設配置の調整を進めている。現計画では市道知花38号の東側約40ヘクタールに施設を配置する計画だったが、沖縄防衛局は市道の西側約30ヘクタールでも提供区域内の土地の利用者に立ち退きを求めている。
 防衛省は実際に使う面積は未定としているが、施設配置の見直しに伴い移設対象地区は広がる見込み。
 一方、2013年に日米両政府がまとめた統合計画は、牧港補給地区の倉庫群約129ヘクタールの返還時期について「25年度またはその後」としていた。統合計画が示す移設手順は、基本計画の日米合意後の設計基準策定に1年、調査・設計に2年、工事に5年を見込んでいる。合意後着手しても、25年度までの返還は難しい公算だ。