「日米問題は変わらない」「少しは明るい兆し」米大統領選、基地周辺住民の声


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米軍嘉手納基地へとつながるコザ・ゲート通り周辺の様子=5日、沖縄市

 米大統領選で民主党のバイデン前副大統領の優勢が伝えられた5日、沖縄県内の米軍基地周辺の市民からは、新型コロナ対策や人種差別問題への対応に期待する声がある一方で、沖縄の基地問題については「変わらない」と冷めた見方が多かった。

 ロックバンド「紫」のドラマー宮永英一さん(69)は「少しは明るい兆しが見えるのではないか」と喜ぶ。米国内で広がる人種差別への反発や、トランプ氏の新型コロナウイルス対策の不十分さを念頭に「全ての政策が自分本位だったトップが変われば、沖縄を含めて世界にとってもいい影響があるだろう」と期待した。

 北谷町内の居酒屋オーナーの男性は「米国のトップが変わっても、私たちの生活は特に変わらない」と静観する。一方で居酒屋に訪れる米軍関係者は共和党の支持者が多いと言い、「民主党は兵隊を減らす傾向があるから、彼らは不安でいっぱいだろうね」と語った。

 米軍キャンプ・ハンセンに隣接する金武町の新開地で店を構える60代男性は、大統領選の報道番組を見ながら「次期大統領には銃規制など、平和の実現に取り組んでほしい」と求めた。別の店舗の70代男性は「個人的にはバイデン氏の方が紳士的な印象だ」とする一方で「どちらが当選しても日米安保体制は変わらないと思う」と話した。

 名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で抗議活動に参加していた喜納政輝さん(70)=北谷町=は「どちらにしろ辺野古推進は変わらない」と冷めた口調。トランプ氏が開票結果に従わない可能性を示唆していることに「なんだかんだ言っても米国は民主主義の先進国だと思っていた。その根幹の選挙に従おうとしない大統領がいるなんて」とあきれた様子だった。