県知的障がい者サッカー連盟(手登根雄次会長)は、知的障がいがある比嘉貴子さん(20)の作品を連盟のキャラクターに採用し、キャラクターデザイナーとして10月、比嘉さんと契約を結んだ。絵が大好きで描きたいものがどんどん浮かんでくるという比嘉さんは「たくさんの人に見てほしい」と喜ぶ。
比嘉さんは、大平特別支援学校(浦添市)に在籍中、同校の寄宿舎指導員で連盟副会長の坂本瑞枝さんから依頼を受けてサッカー関連のイベント用のイラストなどを描いてきた。
実際の友人たちをイメージしたという髪や服も色とりどりの人物、ボールのそばで多彩な動きを見せるキャラクターに、ゴールの後ろに広がる遊園地。鮮やかな色合いで楽しい雰囲気が描き込まれた作品の数々に「どんな人でも、その人なりにサッカーを楽しみ、つながれることが伝わる」と坂本さんは心を動かされた。
連盟に採用されたキャラクターは丸い顔に短い手足、比嘉さんが「おばけっぽいと友達に言われた」と笑う作品だ。連盟の会員募集や催し告知のほか、資金造成のタオルなどグッズにも活用され、連盟は使用料を比嘉さんに支払う。「1人じゃないよ、みんなで楽しもうよと絵から呼び掛けてもらっている気がする」と連盟の長堂嘉元監督。
坂本さんは「障がいのある人ともきちんと契約をして対価を支払う仕組みを作りたい」と話した。
比嘉さんが勤務する沖縄トヨペット港川店(浦添市)は15日まで比嘉さんの作品展を店内で開く。午前9時から午後5時半まで。