社会

地域と67年、歴史に幕...「スーパーまつだ」が閉店へ 常連客から惜しむ声、社長「縁に感謝」

11月末での閉店を決めたスーパーまつだの松田健勝社長(右)と次男の広之さん=10月29日、読谷村高志保

 67年にわたり地域密着で親しまれた読谷村高志保の老舗スーパー「スーパーまつだ」が11月末で閉店する。大型チェーン店の出店が相次ぎ売り上げが減少、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。松田健勝社長(62)は「僕らの役割は終わったということだと思う。100年を目指していたが残念だ」と志半ばの決断に声を落とした。

 スーパーまつだは松田さんの父・正久さんとその兄弟らが「まつだ商店」として1953年に立ち上げた。食料品や日用雑貨のほか、当初は店の裏に豚舎も構え、肥料や飼料など農業関係の商品も取り扱った。小売りだけでなく、卸売りで村内の個人経営店に商品を配達した。地元客の要望に応じて宅配も担った。

 店は高志保公民館の近くにあり、地元客を中心に親しまれた。高志保自治会の新垣勝二会長は「祭りの時には、営業終了後も健勝さんが商品を持ってきてくれた。みんなが寂しがっている」と残念がった。

 集落の中心に位置する店舗にはいつも子どもたちの姿もあった。店頭や配達で地元客と接してきた松田さんは、親しみを込めて「トンカツ」と呼ばれていた。


開店して間もない「まつだ商店」時代のスーパーまつだ(松田健勝さん提供)

 2006年6月の本紙副読紙「レキオ」の表紙には、常連客の子どもを抱いて写る松田さんの写真が掲載された。「子どもたちは大きくなって『おじさん元気ねー』って来る。それがうれしいわけよ」と振り返る。

 地元に親しまれ続けたが、集落近くには大型チェーン店の進出が相次ぎ、高志保大通りもシャッターを閉じる店が増え、客足も減り始めていた。そこに新型コロナの影響が出てきた。飲食店向けの酒類卸売りが直撃を受け、ビール樽や瓶の売れ行きが止まった。松田さんはこの夏に閉店を決意した。

 閉店することを伝えると常連客からは残念がる声が聞こえた。「気持ちは分かる。地元の皆さんとの縁でここまでできた。この仕事をして良かった」と語る松田さん。支えてくれた地域のためにも、閉店の日まで店に立ち続ける。

(仲村良太)

 


関連するニュース








  • お知らせ


  • 琉球新報デジタルサービス



  • 会員制サービス






  • 他のサービス