海上自衛隊の八重山整備を要請 地元防衛協会が防衛省に


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防衛省(資料写真)

 【東京】南西諸島への自衛隊配備を巡り、八重山防衛協会の三木巖会長らが10日までに、防衛省に対し、八重山地方への海上自衛隊の基地整備を要請したことが分かった。海自の八重山配備要請は初めてとみられる。防衛省は要請を受けたことについて「すぐに何か(動く)ということはない」としているが、南西諸島の防衛力強化が進められる中、今後の基地配備に影響を与える可能性がある。

 三木会長らは10月20日に同省を訪れ、防衛計画課長と面談し、八重山地方への海自基地の整備を要請した。関係者によると、要請書は中国海警局の船が尖閣諸島周辺で接続水域や領海内航行、漁船追尾などを続けている事態を踏まえ、日本側の警戒監視体制と防衛力を強化する必要性を訴えた。

 防衛省は本紙の取材に「話は承った」と要請を受けたことを明かした上で、要請時のやりとりについて「詳細のお答えは差し控える」と述べるにとどめた。

 一方、要請を受けての対応は「政府として南西地域の防衛力強化には引き続き取り組むが、こういう(海上自衛隊配備の)要望にすぐに応えるために何かするということはない」とした。南西諸島を巡る環境の変化にも「今のところ、ちゃんと対処している」との認識を示した。

 三木会長は本紙の取材に対し「13日に会見を開く」と述べるにとどめた。