沖縄県内地銀3行中間決算 5年連続減益 コロナで利回り低下


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 県内地銀3行(琉球銀行、沖縄銀行、沖縄海邦銀行)の2020年度9月期の中間決算が11日、出そろった。経常利益の合計は前年同期比14%減の70億2100万円、純利益の合計は同19・4%減の43億3千万円で、5年連続の減益となった。3行ともに貸出金のボリュームは増えたものの、低金利の新型コロナウイルス感染症の関連融資が多かったことから、利回りは低下した。沖銀と海銀の経常利益は増加したが、琉銀が感染症関連で与信コストを大幅に増加させたことから、3行合計では減益となった。

 売上高に当たる経常収益の合計は前年同期比5・0%減の604億4800万円だった。中小企業セーフティネット貸し出しなど、新型コロナ関連の事業性融資を積極的に実施したこともあり、3行ともに貸出金残高は増加した。3行合計の総融資量は同3・6%増の3兆9439億6900万円だった。

 一方、低金利の貸し出しが増えたことで、貸出金利回りは3行ともに低下した。収益の柱だった国債など有価証券利息配当金の減少傾向も続き、日銀の大規模金融緩和の長期化によって厳しい収益環境が続いている。

 本業のもうけを示すコア業務純益は同3・1%減の68億3100万円、不良債権残高は新型コロナ関連で要管理債権が増加したことなどから3行ともに増加し、同41・7%増の815億4千万円となった。