地元で修学旅行「楽しい」 南城・玉城中が行き先変更 海のレジャーや工芸に挑戦


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バナナボートを楽しむ玉城中学校の生徒=10月30日、南城市知念安座真のあざまサンサンビーチ

 【南城】新型コロナウイルスの影響で、沖縄県内の中学校が修学旅行を県外から県内に切り替えて実施する動きがある。南城市立玉城中の3年生も九州への修学旅行を取りやめ10月29、30日の2日間、本島南部を中心に巡った。2日目の30日は地元南城市のあざまサンサンビーチで、マリンレジャーを楽しんだ。生徒たちは「最高の思い出になった」と喜んだ。

 修学旅行に参加した生徒は116人。貸し切りバスの台数を増やしたり、グループに分けて訪問先の滞在時間をずらしたりなど、密を避けた。旅行を企画した学年主任の久志奈美子教諭は「修学旅行実施の可否を含め、PTAや生徒たちと話し合い、地元に近い南部で実現できた」と話す。

 2日目のあざまサンサンビーチではバナナボートやシュノーケリングなどを体験。中には「バナナボートに乗るのもシュノーケルをするのも初めて」という生徒もおり、普段体験することが少ないマリンレジャーに笑顔を見せた。真境名星さん(14)は「地元にこんなに楽しい場所があったとは。ボートのスピードに少し焦ったけど、とても楽しかった」と声を弾ませた。

 初日には火災で焼け落ちた首里城や、ひめゆり平和祈念資料館などを回ったり、琉球ガラス作りを体験したりした。宿泊先は糸満市のリゾートホテル。新城愛音(まお)さん(14)は「コロナの影響で臨時休校など、学校生活を送ることが少なかったので、この2日間は最高の思い出ができた」と語る。

 宿泊については保護者から議論があったとし、久志教諭は「宿泊したいという生徒たちの思いをくみ取り、十分な感染防止策をしながら実現した。生徒たちの笑顔にほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。
 (金城実倫)