沖縄・奄美の女性がかつて手に彫っていた入れ墨「ハジチ」の写真展が、那覇市の不屈館で開かれている。報道カメラマンの山城博明さん(71)=南風原町=が1970~90年に撮影した58枚が並ぶ。山城さんは「琉球、沖縄にこういう文化、風俗があったと知ってほしい」と来場を呼び掛けている。来年1月30日まで。
山城さんは大学生の頃から、県内各地でハジチをした女性を写してきた。1899(明治32)年、日本政府は入れ墨を禁止している。山城さんの写真集「新版 琉球の記憶針突(ハジチ)」が出版されたのに合わせ、不屈館が写真展を企画した。
同館を訪れた大東文化大学2年の高橋由衣さん(20)は「こういう文化があったのかと驚いた。女性たちの表情が明るくて誇らしげだった。ハジチが心のよりどころだったのではないか」と話した。
同館が実施していたクラウドファンディングは10月19日に終了した。県内外の941人が支援し、当初の目標額を大幅に上回る計930万655円が集まった。内村千尋館長は「感動と感謝の気持ちでいっぱい。支援を力にして、これからも頑張っていく」と語った。
(真崎裕史通信員)