沖縄県の中学校駅伝、男子は今帰仁、女子はコザが頂点に


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 駅伝の第44回男子・第33回女子県中学校競争大会は14日、うるま市与那城総合公園陸上競技場周辺を走る中頭地区中体連コース(男子6区間19キロ、女子5区間11キロ)で行われ、男子は今帰仁(岸本真夏、大城音和、橋本逢芯、森山叶人、照屋悠、山城匠翔)が1時間5分04秒で3年ぶり5度目の優勝を果たした。女子はコザ(仲村陽葵、屋嘉比愛菜、宮里くらら、仲間花梨、渡久地七琉)が40分47秒で3年連続、5度目の頂点に立った。優勝、準優勝校は九州中学校競争大会(12月5日、熊本県)の出場権を得た。


悔しさ糧 粘りの走り<男子ハイライト>

男子の部 3位で今帰仁4区の森山叶人(手前)にたすきをつなぐ橋本逢芯=14日、うるま市の第3中継所(喜瀬守昭撮影)

 エース区間に当たる1区の中間地点で、今帰仁の岸本真夏(3年)は、6人ほどの先頭集団の後方で「いける」と確信した。「周りは息が切れていたけど、自分はしゃべる余裕があった」。残り1キロで集団の前に出て、先頭2人でデッドヒート。「1区で後が決まると思っていた」と残り200メートルで引き離した。

 2区で6位に落ちるが、3区の橋本逢芯(2年)が踏ん張った。2人を抜いて「まだ終わっていないぞ」と叫びながら、3位で森山叶人(3年)に託した。

 言葉を受けた4区森山は「越すしかない」と奮い立つ。残り約1キロの下りで2位に、約300メートルで1位に躍り出た。「きつかったけど、後ろの2人を楽させたかった」と貢献した。

 駅伝部12人で高め合い「皆がいるから毎日乗り越えて行ける」(岸本)とトレーニングに明け暮れた。朝練は周回ごとにタイムを上げるペース走を7キロこなし、午後は500メートルや1000メートルのスピード走で追い込んだ。

 地区予選で名護に敗れた悔しさをバネに「皆が最後まで粘れるようになった」(森山主将)と成長を実感する。九州大会へ森山は「レベルは高いが沖縄の代表として食らいつく」と躍進を誓う。

 (古川峻)


V3 2区以降独り旅<女子焦点>

女子の部 1位でコザ3区の宮里くらら(左)にたすきをつなぐ屋嘉比愛菜=14日、うるま市の第2中継所(喜瀬守昭撮影)

 コザが2区からトップを譲らず40分47秒で3連覇した。

 先頭と僅差の2位でたすきを受けた2区の屋嘉比愛菜(2年)は「競った方が力が出せる」と、出だしのダッシュで抜き去り、大きく差を広げた。2週間前の地区大会は力を出し惜しんで悔しいタイムだったという。挽回もあって「前しか向いてなかった」と1位を突っ走った。

 4区の仲間花梨(2年)とアンカーの渡久地七琉(2年)が後続をさらに突き放した。仲間は「自分の世界に入っていた」と楽しみながらの力走で、渡久地は「4区がめちゃめちゃ離してくれた」とリラックスした走りを続け、両手を広げてゴール。ともに区間新を達成した。

 「コロナで去年より体の状態が落ちている」(仲間)と不安もあったが、バスケ部の練習に加え、大会3週間前からこの日に照準を合わせて整えてきた。昨年は九州6位、全国18位と県勢最高位を達成。ことしは全国は中止となったが、渡久地は「去年は九州に出られなかった。その悔しさをぶつける。(区間2キロで)6分台を出したい」と九州での躍進を誓った。