「平和つなぐ原点に」 東京・和光小が渡嘉敷島で沖縄戦追体験


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吉川嘉勝さんの説明に聞き入る和光鶴川小学校6年生ら=10月29日、渡嘉敷村の「旧日本軍特攻艇秘匿壕」

 【渡嘉敷】東京都の和光鶴川小学校(加川博道校長)の6年生71人と加川校長ら5人が10月29日、日帰りで渡嘉敷村を訪れ、平和学習やマリン体験を行った。

 一行は27日から24回目となる沖縄学習旅行で訪れた。日程の中に渡嘉敷島の沖縄戦を学ぼうと、地元の戦争体験者、吉川嘉勝さん(82)を講師に、戦跡碑の「白玉之塔」「集団自決跡地」「旧日本軍赤松隊本部壕」「旧日本軍特攻艇秘匿壕」を見学した。

 吉川さんは、自身が体験した島の悲劇「集団自決」(強制集団死)や戦時中の様子を戦跡現場で語り、児童らは真剣な表情でメモを取りながら聞き入った。

 平和学習終了後は、慶良間諸島国立公園の同村「渡嘉志久ビーチ」のケラマブルーの海でマリン体験を満喫した。加川校長は「実際に戦争を体験した場所を確認し、体験者と一緒に追体験することで平和をどうつないでいくのかの原点になる」と強調した。

 井上睦さん(12)は「家族同士が殺し合うような悲劇は考えられない。手りゅう弾が不発のために自決を逃れて必死に生きようとする人はすごい」と話した。須崎真凛さん(12)は「母親の“命が宝”(ぬちどぅたから)の一言で命が救われたことに感銘を受けた」と述べ、目頭を押さえた。 (米田英明通信員)