沖縄県産キク出荷、昨年度2.3%増 今年度のコロナ影響は限定的か


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 JAおきなわ(普天間朝重理事長)は16日、県産花卉(かき)の主力品目であるキク類とトルコギキョウの2019年度販売実績と20年度の見込みを発表した。キク類の19年度の出荷本数は前年度比2・3%増の7854万本だった。18年度と同様に台風の影響で不作傾向だったため、例年の平均値である9千万本を約12%下回った。出荷金額は同3・5%増の25億7130万円だった。JAおきなわによると県外彼岸需要の今年3月の出荷までは順調だったことから、新型コロナウイルスの影響は少ないという。

 20年度は、夏場の台風の被害が少なかったことから出荷本数を9011万本、販売金額を30億9668万円と見込む。JAおきなわによると、新型コロナの影響で4~5月にキクを廃棄する事態もあったが、同時期は出荷量が少ないことから影響は「限定的」としている。

 また、新型コロナの影響で競りの単価が下がることを見込み、競りを通さず安定価格で販売できる注文制の取引件数を伸ばしている。

 トルコギキョウの19年度販売実績は、出荷本数が同19・7%減の188万本、販売金額が同13・8%減の2億8752万円だった。作付面積の減少や天候不良が影響した。

 20年度は出荷本数を255万本、販売金額を3億5301万円と見込む。新型コロナの影響で1本当たりの平均単価は19年度と比べ14円安い138円を見込むが、平年の130~150円台を維持する予想。トルコギキョウの栽培は若い農家や女性から人気が集まっており、農家戸数は50戸と最多を更新している。