辺野古サンゴ訴訟きょう初弁論 福岡高裁那覇支部


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名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)=2020年9月3日

 名護市辺野古の新基地建設に向けて沖縄防衛局が申請している辺野古沖のサンゴ類の移植について、県が国を相手取った訴訟の第1回口頭弁論が20日午後2時半から、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で開かれる。防衛局の特別採捕を許可するよう求めた農林水産相の是正指示は違法として、県が指示取り消しを求める内容だ。新基地建設を巡る国と県の裁判は9件目。

 総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」が県の審査申し出を退けたことを不服とし、ことし7月、県が提訴した。係争委の審査を経ているため、審理は高裁から始まる。

 防衛局は2019年4月と7月、県にサンゴ類の移植許可を申請。県は、埋め立て予定地で見つかった軟弱地盤の改良に向け大規模な設計の変更が予定されていることなどを理由に判断を保留していた。一定期間の経過後も判断がないとして、ことし2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農水相が県に是正を指示した。指示が違法だとして県は3月、係争委に審査を申し出た。係争委は6月、県の訴えを退けた。

 新基地建設に関する県と国の裁判は、県による埋め立て承認撤回の効力を争う「抗告訴訟」の判決が27日午後1時半に那覇地裁(山口和宏裁判長)で言い渡される。