裁判官の交代を要求  住民側の意見聞かず 安保訴訟控訴審 福岡高裁那覇支部


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬
福岡高裁那覇支部

 集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が憲法9条などに違反するとして、県内在住の戦争体験者や米軍基地・自衛隊基地周辺の住民ら80人が国を相手に国家賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が19日、福岡高裁那覇支部で開かれた。住民側の話を聞かずに、即日結審しようとした大久保正道裁判長らに対し、忌避が申し立てられ、騒然となる一幕があった。

 忌避申し立ては、不公平な裁判をする恐れがある場合に、裁判官の交代を求める手続き。

 19日の初弁論で大久保裁判長は、住民側の証人申請を却下すると述べた。住民側の代理人弁護士が、採用するよう意見を述べようとしたが、話を聞かずに即日結審を表明した。代理人は「忌避を申し立てる」と声を上げた。

 大久保裁判長は、代理人の問いに答えないまま判決期日の日程を読み上げ、法廷を後にした。

 閉廷後の取材に、福岡高裁那覇支部は「判決期日は来年2月18日に指定したが、終盤に忌避申し立てがなされた。訴訟手続きは停止している状態だ」と説明した。
 今後、福岡高裁の別の裁判体が大久保裁判長らを交代するかどうか判断する見通し。