玉城知事が意見陳述 辺野古サンゴ訴訟初弁論 判決は来年2月3日


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辺野古サンゴ訴訟の初弁論で福岡高裁那覇支部に入廷する玉城デニー沖縄県知事(手前左)ら=20日午後2時前、那覇市

 名護市辺野古の新基地建設に向けた大浦湾のサンゴ類移植を巡り、沖縄防衛局の特別採捕申請を許可するよう農林水産相が是正を指示したのは違法として、県が指示取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が20日、福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で開かれた。玉城デニー沖縄県知事が意見陳述した。国側は請求棄却を求め、即日結審した。判決は来年2月3日に言い渡される。

 新基地建設を巡る県と国の裁判は9件目。農水相の指示について、県は「地方自治体への国の関与は最小限であるべきという、地方自治の原則に合致しない乱用的なもの」として、国による違法な関与だと主張した。移植申請の処分を保留していたことについては「埋め立て工事の内容が確定していないため、申請内容が妥当か判断できる状況ではなく、審査が必要」として正当性を訴えた。

 一方、国側は「防衛局の申請は環境監視等委員会で検討され、環境保全措置として適正なもの」とし、許可しない県の対応は「著しく適性を欠き、公益を害するもので違法だ」と反論した。標準処理期間を過ぎても許可しない県の対応が違法なので、許可するよう是正指示したのは適法と主張した。

 防衛局は2019年4月と7月、県にサンゴ類の移植許可を申請。県は、埋め立て予定地で見つかった軟弱地盤の改良に向け大規模な設計の変更が予定されていることなどを理由に判断を保留していた。一定期間の経過後も判断がないとして、ことし2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農水相が県に是正を指示した。指示が違法として県は3月、国地方係争処理委員会(係争委)に審査を申し出た。係争委は6月、県の訴えを退けた。