伝統文化の継承に決意新た 琉球新報の玻名城社長 メセナアワード受賞で


社会
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「メセナアワード2020」の贈呈式で優秀賞(琉球の心いちまでぃん賞)を受ける琉球新報社の玻名城泰山社長=20日、東京都

 【東京】企業メセナ協議会(東京、尾﨑元規理事長)は20日、東京都内で、芸術文化を振興し豊かな社会創造(メセナ)に貢献した企業団体を顕彰する「メセナアワード2020」の贈呈式を開いた。琉球新報社の琉球古典芸能コンクールと琉球古典芸能祭に優秀賞(琉球の心いちまでぃん賞)が贈られた。

 全国165件(93社・団体)の活動から大賞1社、優秀賞5社、特別賞1社が選ばれた。長年、沖縄の伝統芸能の保存継承に努め、地域芸能振興や若手育成に取り組んで裾野を広げている点などが評価された。

 琉球新報社の玻名城泰山社長は「半世紀余りも続けてきて本当によかった。実演家をはじめ、多くの関係者の支えがあってこそだと改めて実感し、喜びを分かち合っている。受賞を励みに、舞台芸術を高め、文化・芸能の力でアジアの懸け橋となれるよう努力を積み重ねていく」と語った。

メセナアワードの贈呈式でかぎやで風を舞う琉球古典芸能コンクール事務局の安次嶺律子さん=20日、東京都

 贈呈式では、活動紹介をした、実演家で琉球古典芸能コンクール事務局の安次嶺律子さんが活動紹介をして、かぎやで風を優雅に舞った。

 審査委員長で立教大学の萩原なつ子教授は「(受賞した活動は)未来世代の子どもたちを応援するものばかりだ。文化的貧困をカバーするのが企業のメセナ活動で、今後も素晴らしい活動をしてくれるのではないかと思う」と期待した。

 大賞は鹿島美術財団、優秀賞は琉球新報社ほか、アンデルセン・パン生活文化研究所、鬼塚電気工事、ソニー音楽財団、原田が受賞した。特別賞(文化庁長官賞)は資生堂だった。