規格外に命吹き込む 座敷グループ 第1弾はタンカン


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 ウェブ制作などを手掛ける座敷グループ(那覇市)は、規格外で売れない県産フルーツに新たな価値を加えて商品にする企画「JiL PROJECT」に取り組んでいる。第1弾として、名護市の農家から規格外や新型コロナウイルスの影響で余ったタンカンを買い取り、タンカンシロップ「JiL TANKAN GINGER」を開発した。クラウドファンディングで資金を募り、返礼品として資金提供者に贈る形をとる。

「JiL PROJECT」の第1弾として販売するタンカンシロップ

 同社でアルバイトをする、琉球大法文学部4年の與那城圭汰さんの親戚が名護市でタンカンを作っており、規格外のタンカンが廃棄されるのを見た與那城さんが、何かできないかと考えたのが企画のきっかけになった。農家から規格外のタンカンを買い取り、300~500本のシロップ製造を予定する。

 シロップは容量250ミリリットルで、水や炭酸で割って飲料として味わう4倍希釈タイプ。泡盛に合うようショウガを加えて甘さ控えめにし、パンチの効いたスパイシーな味わいに仕上げた。

 今後は協賛企業から集めた資金で商品を開発し、企業に返礼品として配る形で農家を支援する考え。プロジェクトでは農家への琉球大学生のアルバイト派遣も実施しており、バイト代を協賛金から支払い、高齢化で人手不足の悩みを抱える農家を手助けしていく。

プロジェクトへの協力を呼び掛ける座敷グループの三井暁代表(右)と、琉球大学4年の與那城圭汰さん=20日、那覇市泉崎の琉球新報社

 現在、5社の協賛が集まっている。1口1万円の支援でシロップ1本を贈呈し、プロジェクトのホームページやカタログなどに企業ロゴを掲載する。企業のSDGsの取り組みとしてPRにつながる。

 同社の三井暁代表は「新しい商品を作り、学生も巻き込んで商品や企画を広げていきたい」と話した。

 詳細はホームページhttps://jil-project.com/