「GoTo」見直し「効果あったのに」 沖縄県内業者ら、驚きと困惑 支援拡充求める声も


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GoToイートの県内キャンペーンのサイト

 21日夕、菅義偉首相が「Go To トラベル」の運用見直しや「Go To イート」の食事券の新規発行停止などの検討を都道府県知事に要請すると表明したことを受け、県内の飲食業関係者や一般市民は突然の方針転換に「仕方がない」「効果を実感していた」とため息交じりに語ったり、戸惑いを見せたりした。 

 那覇市にある「Go To イート」対象店、大衆肉割烹「にく久」の京増勝利店長は「えっ、中止されるの?」と首相の急な停止要請の方針表明に驚いた。「効果を実感していた。続けると言っていたのに」と困惑気味に語った。

調理場から料理を受け取る南国ダイニング「鬼さん」の我那覇智輝店長。マスクとフェースシールドの二重使いで感染防止を徹底している=21日夜、那覇市久茂地の同店

 同じく那覇市の南国ダイニング「鬼さん」の我那覇智輝店長は「12月からは大事な忘年会シーズンだ。第1波、第2波の時のように閑散とすると正直厳しい」と方針転換に困惑を隠さない。同店は入店時の検温と消毒を徹底し、店員はマスクとフェースシールドを着けて接客するなど、感染防止に努めてきた。「居酒屋で感染が広がっていると言われると、とてもつらい」と語った。

 沖縄市の居酒屋「島ごはん」では、例年だと予約が取れないほどの客でにぎわう時季だが、新型コロナウイルスの影響で今年は客席が閑散としていた。売り上げは昨年同期に比べて半分ほどに減っているという。「Go To イート」のポイント付与事業を利用する客もいるが、西崎大地店長(40)は「感染者が増えて外出自粛になるよりは、今は(事業推進を)待った方がいい」と話した。その上でインターネットを通じた店の予約や支払いができるようにするなど、支援拡充を国に求めた。

 今帰仁村で宿泊業を営む大城純子さん(51)は「Go To トラベル」などの見直しに「仕方がない。各地域の感染の状況をみて対象を決めてほしい」と要望した。

 那覇市で催された屋外上映会でスタッフをしていた大塚聖一さん(57)は「イート」などの見直しについて、「利用してみたかったが、感染が拡大しているので今は仕方がない。自分も感染しないよう気を付ける」と話した。