「制服自由の日」那覇・鏡原中で実施 生徒が選ぶ「判断力問われた」「かわいい服、楽しい」


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「制服自由の日」の那覇市立鏡原中=21日

 那覇市立鏡原中学校は21日、生徒が自由な服装で登校できる「制服自由の日」を実施した。生徒に出された条件は「授業に支障のない服装」「先生や保護者に相談しない」の二つ。自由とは何か、責任とは何か、生徒一人一人が考え、当日の服装を選んだ。

 登校した生徒の服装で最も多かったのは体育着。コロナ禍の今年、生徒は着替えによる密を避けるため、体育の授業がある日は体育着で登校している。「服装自由」でも、体育の授業がある生徒は感染症対策を優先した。体育がなくても「楽だから」と、体育着や学校指定のジャージーで登校する生徒もいた。

 次に多かったのは部活着。バスケ部やバレー部などの生徒は、授業終了後に着替えの時間を短縮できる服装を選んだ。私服でおしゃれを楽しむ生徒も多く、制服登校は少数だった。

 私服登校した3年の女子生徒は「かわいい服を着ると楽しくなる」と笑顔だ。新型コロナウイルスの影響で遠足や舞台発表などのイベントはことごとく中止になった上、長期休校の反動で土曜日は登校日になった。鬱屈(うっくつ)としそうな日が特別な日に変わり、楽しげな雰囲気が生まれていた。

 生徒会長の新里柊人さん(15)は「派手な服は授業への迷惑か、普通の服とは何かと、いろいろ考えた。自ら判断する力が問われた。私服の友達を見て新鮮な気持ちになった。新しい一面を知ることができて良かった」と自由の意味をかみしめた。

 教師側にも「生徒が何を着ていても注意しないこと」という指示が出た。新垣康史校長は「制服自由の日」の狙いについて「生徒の心の成長が見たかった。いい学校とは、先生が生徒をコントロールしやすい学校のことではない」と強調した。(稲福政俊)