興南打線が終盤着火 先発・生盛の好投に応える 沖尚破り連覇 高校野球1年生中央大会


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沖縄尚学-興南 8回1死一、二塁の好機に2点適時二塁打を放つ興南の照屋寛晟 =22日、沖縄セルラースタジアム那覇(又吉康秀撮影)

 高校野球の第45回県1年生中央大会最終日は22日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇で決勝があり、興南が6―0で沖縄尚学を零封し、2年連続6度目の優勝を飾った。決勝は2年連続の同カード対決。二回に興南が1点を先制し主導権を握ったが、両チームとも投手陣が好投しスコアは1―0のまま終盤戦へ。八回裏に興南の1番・國吉琉心の単打を皮切りに、連打でつなぎ5点を追加。勝負を決定付けた。

 2年連続で頂点に立った興南は、技巧派右腕の生盛亜勇太が6回を被安打3の8奪三振、与四球2でゲームをつくった。21日の準決勝で完投した疲れもあったが「2連覇が懸かっていることもあり、気持ちで投げ抜いた」。四回無死二塁のピンチの場面から登板。立ち上がりはボール先行で不安定だったが、低めに集める配球で尻上がりに調子を上げ沖尚打線を封じていく。「バックも付いていたので思い切り投げた」と野手の力も借り、併殺やゴロで次々と打者を仕留めていった。

 生盛の好投に応えようと、興南打線も終盤で調子を上げる。沖尚の投手の緩急ある投球に苦しみ、七回まで散発4安打でスコアは1―0と油断できない展開が続いた。八回裏に先頭打者が四球で出塁すると「ここが勝負どころだぞ」と我喜屋優監督からの指示で、変化球に狙い球を定めて全員がフルスイングで臨む。1死一、二塁で2番・照屋寛晟が放った中越え2点適時二塁打が合図だった。続けとばかりに中軸が連打で畳み掛け、この回一挙5得点で好機をものにした。

 中央大会で初の先発入りだった照屋は「八回はチャンスだったので、自分が(ゲームを)決めてやると強気で振った」と指揮官の期待に応える働きに満足げな表情を浮かべた。 (上江洲真梨子)

7回まで興南打線を1点に抑える好投を見せた沖縄尚学先発の仲宗根大斗

好投の仲宗根、悔やむ八回裏

 ○…沖縄尚学の右腕・仲宗根大斗が緩急ある投球で完投した。県秋季大会や秋季九州大会ではリリーフとして起用されたが、制球力を課題としてきた。秋季九州大会終了後「九州では悔しい負け方をした。投球にも納得いかなくて、肩周りの筋肉の補強や下半身の使い方を修正してきた」と今大会は、準々決勝に続き2度目の完投を成し遂げた。

 七回まで被安打4の無四球、1失点と好投。最速138キロの直球から110キロ台のカーブなど変化球を自在に操り打者を翻弄(ほんろう)した。八回裏は「集中力が続かず球が浮いてしまった」と5失点を許し悔しい結果となった。「中と外のコースをしっかり投げ分けられるようにもっと練習したい」。下半身の強化を課題にこの冬を乗り越える。