障がい者解雇41人 県内4~9月 昨年ゼロ、コロナで9人


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 県内で今年4~9月の半年間に、事業所の閉鎖や事業縮小に伴って解雇された障がい者が41人おり、うち9人が新型コロナウイルスの感染拡大の直接的な影響を受けて解雇されたことが24日までに、沖縄労働局への取材で分かった。障がい者の解雇は昨年同期はゼロだったことから、今春から急増していることも判明した。解雇された41人はハローワークが確認できた人数で、実際はこれより多い可能性がある。

 障がい者の雇用に詳しい春田吉備彦沖縄大教授(労働法)は「昨今のコロナ禍に起因する景気悪化は、障がい者や疾病者、子どもなど、社会の脆弱(ぜいじゃく)な層に牙をむき、貧困層に悪影響を及ぼしている」と指摘。県内で非正規雇用の待遇を見直すことも含め、社会的弱者の雇用を確保する議論が必要との認識を示した。

 解雇者は4月が11人、5月が10人、6、7月が3人ずつ、8月が14人、9月は確認されなかった。このうち、感染拡大の影響を受けて解雇されたのは5月が2人、6、7月が3人ずつ、8月が1人だった。

 障がい別で見ると、精神障がい者が20人と最も多く、次いで知的障がい者が11人、身体障がい者が10人だった。

 沖縄労働局の担当者は「来年には法定雇用率の引き上げもあり、経営状況とのバランスを取りながら、まずは雇用の維持に努めてほしい」と述べた。ハローワークの就労支援では、特性に応じた仕事の紹介や求人の開拓をしているという。 (比嘉璃子)