嘉手納に格納庫新設 米海兵隊、各軍と連携強化か


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格納庫前であった米軍の新施設の使用開始を祝う式典=24日、米軍嘉手納基地(米軍サイトより)

 在沖米海兵隊は25日、米空軍嘉手納基地内に格納庫など新たな施設を建設したと発表した。施設は、嘉手納基地に配備されて空軍や海軍との連絡・調整を図る海兵隊航空団嘉手納連絡所が運用する。米軍幹部は「前方展開の能力を広げる」と期待しており、連絡所の機能を高めることで米各軍種の連携強化をにらんでいる可能性がある。

 海兵隊によると、新たに建設した施設は航空機の整備施設や格納庫、駐機場。24日に使用開始の式典が格納庫前であり、海兵隊と空軍、海軍、陸軍の代表者が出席した。米海兵隊太平洋基地司令官のウィリアム・バワーズ准将は「前方に展開する部隊が自由で開かれたインド太平洋地域で戦う能力を広げる」と語った。

 発表文には「7400万ドル近い事業」との記述もある。完成した格納庫は、海兵隊の第1航空団や共同部隊が沖縄での活動中、耐候性があり頑丈なシェルターとして利用する。米陸軍工兵司令部が設計と建設を担った。受託業者2社も携わった。

 米軍は沖縄防衛局に格納庫建設を知らせていなかった。県や地元市町村にも伝わっておらず、各機関は事実関係を確認している。

 沖縄国際大の野添文彬准教授は「米軍全体として陸上や海上、航空、サイバー、宇宙といった垣根を越えて連携して中国に対抗する動きがある。(今回の施設整備からも)そういった連携を重視する傾向が見て取れる」と指摘した。