わいせつ教諭の免許失効、官報に不記載 被害の生徒死亡


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 中学3年の時に40代の男性教諭からわいせつ行為を受けた沖縄県那覇市内の女子生徒が約1年後の2014年12月に自ら命を絶った問題で、懲戒免職処分を受けた男性教諭の教員免許失効情報が官報に掲載されていなかったことが30日までに分かった。官報掲載は教員免許法で定められており、県教育委員会は掲載が漏れた原因を調べている。

 官報は、全国各地の官報販売所を取り次ぎ所として、自治体から依頼された情報を掲載している。県教委は官報販売所への掲載依頼が適切に行われていなかったとみている。県教委はこの教諭以外にも免許失効情報が官報に掲載されなかった教諭がいる可能性があるとして、過去にさかのぼって調査を実施する。

 教員免許法は免許を失効した教員の氏名や本籍地、処分事由などの情報を官報に公告することを義務付けている。文部科学省は全国の教育委員会が失効情報を確認する手段の一つとして「官報情報検索ツール」を提供している。現状の掲載期間は3年間だが、わいせつ行為で処分される教員が増えていることを受け、来年2月から40年間に延長される。

 県教委は14年3月19日付で男性教諭の懲戒免職処分を発令し、同時に教員免許が失効した。処分後、男性教諭が免許を再取得し、教職に就いたことは確認されていない。