水泳・佐和田が記録ラッシュ 男子1500自由形で県高校新、800では県新記録 九州カップ県予選


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新記録を狙って力泳を見せる佐和田歩夢=29日、沖縄市の県総合運動公園屋内プール

 水泳の第1回冬季短水路競技大会・第41回九州カップ競技大会県予選会が11月29日、沖縄市の県総合運動公園屋内プールで行われた。男子1500メートル自由形に出場した佐和田歩夢(Nb沖縄、那覇高1年)が800メートルで8分22秒22の県新、1500メートルで15分55秒13の県高新を同時に樹立した。女子200メートルでは當間彩美(沖縄SS前田、浦添中2年)が2分5秒55の県中新を出した。平良吏美華(沖縄SS豊見城、金城小6年)は女子50メートルを26秒91、100メートルを59秒32で泳ぎ、いずれも県小新を記録した。沖縄SS豊見城C(宮里理子、大城妃央、渡辺心陽、平良愛沙)は女子400メートルメドレーリレーで4分30秒44の県中新、沖縄SS豊見城B(松川るな、津森美嬉、宮里真子、平良吏美華)は女子200メートルメドレーリレーで2分9秒68の県小新を樹立した。 (長嶺真輝)

 男子1500メートル自由形の県高新を狙う佐和田歩夢がスタート位置についた。描いた戦略は「あまり足を使わず、序盤は腕だけで大きく、ゆったり泳ぐ」。肩関節が柔らかく「誰にも負けない自信がある」というストローク力を生かし、後半の減速を防ぐ狙いだ。

 レースは思い通りの展開に。100メートルごとのタイムで初めはほぼ1分で泳ぎ、その後は1分3~4秒で刻んでいく。「高校新、高校新…」。頭の中で反すうしながら、順調に距離を稼ぐ。

佐和田 歩夢

 しかし千メートルを超えると「思ったより後半しんどかった」とペースが落ちた。ここで力となったのが、プールサイドの照屋昇コーチらスクールの仲間たち。「(頭上で大きく)丸を作ったら今のペースでオッケー。チームのタオルを出したら記録が狙える」(照屋コーチ)と事前に決めていたサインを大きな身ぶりで送り続けた。

 「あれで気持ちが保てた」と佐和田。ゴールして県高新を確認すると、右手でぐっと拳を握った。さらに水から上がると「800メートルで県記録更新です」とのアナウンス。思いがけないダブル栄冠に「1500で本当にうれしかったのに、800でもっとうれしかった」と白い歯を見せた。

 まだ高校1年。1500メートルの県記録までは18秒近く差があるが「練習を積んで筋力を付ければ絶対切れる」と断言する。伸びしろたっぷりの15歳から目が離せない。