沖縄県内の失業者3万人 完全失業率は4% コロナ長期化で増加


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 県は1日、県内10月の失業率(原数値)は前年同月比1・2ポイント増の4・0%に上ったと発表した。完全失業者数は前年同月比9千人増の3万人だった。新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、失業者が増加している。沖縄労働局(福味恵局長)が同日発表した10月の県内有効求人倍率(季調値)は前月比0・02ポイント増の0・73倍で、1年ぶりに上昇した。10月に求職者が就職したことや求職活動を中断したことが要因とみている。 福味局長は「新規求人数は減少しており、求職活動が長期化している」と述べ、改善傾向にはないと分析した。

 新規求人倍率(季調値)は前月比0・11ポイント減の1・25倍だった。新規求人数は7978人で同1・8%増だったのに対し、新規求職申込件数は同11・6%と大幅に増加し、倍率は低下した。

 正社員有効求人倍率(原数値)は前年同月比0・28ポイント減の0・44倍だった。

 新規求人数は観光需要の低下を受けて全産業で低下した。土産品製造に関わる製造業や観光関連施設の建設に関わる建設業でも求人が減少した。医療・福祉業では受診控えで採用活動を控える傾向が見られた。

 新規求職申込件数(原数値)は前年同月比6・4%増の5965件(うち5935件は常用)で、2カ月連続で増加した。

 新規求職申込件数(常用)のうち、事業主都合による離職者は同30・9%、在職者は同8・4%増えた。福味局長は「見通しが不安定な中、コロナの影響で就業時間が短縮された労働者が副業や安定した就職先を探しているのではないか」と分析した。

 就職件数は同8・9%減の1563件と、9カ月連続で減少した。福味局長は事業主に「感染収束に合わせて社会経済レベルも上がってくると思う。人材確保の観点から求人の提出をお願いしたい」と求めた。