沖縄県浦添市の日本語学校「JSL日本アカデミー」のネパール人留学生78人がアルバイトの法定就労時間(週28時間)を超過し、不法就労(オーバーワーク)があったとして、卒業予定の来年3月までの在留延長が認められず、在留資格を失ったことが1日までに分かった。留学生らは3カ月以内の帰国を求められている。新型コロナウイルスの影響で、同校の本年度新規入校者はおらず、来年4月以降の在籍留学生は数人程度になるとみられる。
同校によると、現在の在籍留学生は223人。このうち、19年7月に入校した留学生142人が在留延長を申請し、78人がオーバーワークなどを理由に不許可となった。留学生の多くが卒業後、県内外への進学を決めていた。留学生らは学業の傍らアルバイトをし、月に10万円前後の収入を得ていた。
同校の島尻昇理事長は開校以来の厳しい経営状況だとし「オーバーワークに関し、管理者責任を感じているが、学生の人権にも配慮しなければならない。学校ができる限りの指導はしている」と話す。
同校は来年1月、新たにネパールから83人の留学生を受け入れる予定だったが、在留資格が許可されたのは、5人だけだった。同校によると、「支弁能力が足りない」などの理由で不許可になったという。
福岡入国管理局那覇支局は「通例通り、個別ごとに審査をした結果」としている。
アクティア行政書士事務所の仲宗根隼人行政書士は「県内では一部の業種で、アルバイトの留学生に労働力を依存している傾向がみられる。オーバーワークが生じ雇用主が不法就労助長などの罪に問われることもある。一方で、生活費や留学費用をバイトで工面している学生もいる。オーバーワークをせずとも学べる環境と受け入れ態勢が求められている」と指摘する。