琉大、山本准教授の受賞コメント修正せず掲載 国への忖度を否定 変更要請問題


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 日米地位協定に関する著書で石橋湛山賞を受賞した琉球大学の山本章子准教授に対し、大学側がホームページ(HP)で紹介する受賞コメントの修正を求めていた問題で、琉球大は1日、コメントを修正せずにHPに掲載した。山本氏は琉球新報の取材に「大学側が反省し、誠意を見せてくれた」と話した。

 問題となったコメントは「地位協定の最前線に立たされるのが国ではなく自治体であることがこの問題の本質。国が国民を守らないから、地方自治体が住民を守るために苦心しなければならない」というもので、山本氏が10月23日の授賞式で述べた。大学側は国への批判を弱め「国の代わりに自治体が苦心」などの表現に変えるよう求めたが、山本氏は拒んでいた。

 掲載に当たり、大学側は山本氏に「誰が見ても誤解を生じさせない内容にする必要があった。国に批判的であること、国への忖度(そんたく)で修正は求めない」などと説明したという。HPでは「日米地位協定の現状が改善されることを願って、沖縄で研究を続けていきたい」とのコメントも追記され、賞を贈った石橋湛山記念財団のリンクも貼られた。