玉城知事が不在で「消化不良」…沖縄県議会代表・一般質問を振り返る


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沖縄県議会

 県議会11月定例会は9日、代表・一般質問を終了した。米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添ふ頭地区への移設計画について、与野党から玉城デニー知事の発言や姿勢に関する質問が相次いだが、玉城知事は細菌性肺炎の療養で欠席した。両副知事や部長らの答弁では議論は深まらない場面が多く、消化不良感が漂った。 (梅田正覚)

 玉城知事は10月、加藤勝信官房長官と県庁で面談した際、「那覇軍港は遊休化しているとの話もある。浦添の施設ができてから返還するという時間のかかる計画ではなく、軍港の返還を前倒ししてほしい」と述べ、那覇軍港の先行返還を求めた。

 代表・一般質問ではこの発言がやり玉に挙がった。「知事は那覇軍港が『遊休化』しているといつ認識したのか」(新垣淑豊氏)、「知事は那覇軍港の『先行返還』を申し出たが、先に地主会に相談したのか」(仲村家治氏)などと野党の沖縄・自民が追及した。

 謝花喜一郎副知事は「遊休化というか、使用率の問題については以前より議論はされている」「知事の感触として、地主の皆さんも早めに返してもらいたい(はずだ、と)。(地主会に)確認してはいない」などと説明した。

 謝花副知事は「那覇軍港の返還は沖縄の過重な基地負担を軽減し、振興発展に重要だと知事としてさまざまな議会での議論を踏まえての発言だと思う」と、議場にいない知事の真意を説明した。

 自民県議の一人は「われわれが求めるのは行政としての発言ではなく、政治家である知事の発言だったが、副知事ではそれは無理だった。健康上での欠席だから仕方ない部分はあるが残念だった」と語り、議論は消化不良だったとした。

 そのほか、新型コロナウイルス対策や2022年度からの次期沖縄振興計画などについても質問が相次いだ。