訴訟の一部手続きがIT化 ウェブ会議で裁判所と弁護士つなぐ 那覇地裁が14日から導入


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「ウェブ会議」による手続きを実演する小西圭一裁判官(左端)=10日、那覇地裁(代表撮影)

 裁判所と弁護士事務所をインターネットでつなぎ、民事訴訟の手続きを進める「ウェブ会議」が14日から那覇地裁本庁で始まる。裁判所に来なくてもビデオ会話で一部の手続きができるようになり、効率化が期待される。弁護士が裁判所に出向く移動時間や交通費の負担軽減も見込まれるほか、新型コロナウイルスの感染拡大防止にもつながりそうだ。

 運用開始に先立ち、那覇地裁は10日、報道陣に説明会を実施。小西圭一裁判官と、弁護士役の裁判所職員2人がオンライン上でのやり取りを実演した。実演後、小西裁判官は「想像よりも便利。代理人にもどんどん利用していただき、良い方向に裁判が進めばいい」と述べた。

 ウェブ会議ができるのは、非公開の争点整理の手続き。裁判所と原告・被告双方の代理人の弁護士事務所をつなぎ、ビデオ会話を行う。音声や映像だけでなく、ファイルを共有して資料や表を提示することができる。これまでも電話会議が行われていたが、顔が見えずに意思疎通が図りにくかったという。

 ウェブ会議は東京など13地裁と知財高裁で既に導入されており、今月から那覇を含む37地裁でも利用できるようになる。