「厳しい」「24万円ではカバーできない」… GoTo停止や時短要請、関係者は悲鳴と諦め


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人通りの少ない屋富祖の飲食店街=14日午後7時40分ごろ、浦添市

 菅義偉首相が「Go To トラベル」を全国一斉に一時停止すると表明したことを受け、県内の観光関係者らからは「厳しい」という悲鳴や「仕方がない」という諦めの声が聞かれた。県が飲食店などに営業時間の短縮を要請し、応じた事業者に協力金を出すことには「24万円ではカバーできない」「支給をスピーディーに」との声が上がった。

県の時短要請 飲食店「書き入れ時なのに」

 石垣市のホテルで総支配人を務める高橋秀明さん(56)は「年末年始は例年並みに埋まっている。医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島なので感染状況は心配な半面、八重山ではしばらく観光客由来の感染者は出ていないので、なんとか年末年始を乗り切れると思っていた。一時停止は厳しい」と話した。

 那覇市の国際通りにある服飾店は「Go To トラベル」が始まった頃は客足が若干戻ったが、12月は例年の3割程度に減っているという。女性店員(21)は「一時停止でさらに厳しくなるけど、コロナに感染する方が怖い。今は仕方がない」と複雑な表情を浮かべた。

 「年末の書き入れ時に、非常に厳しい」。時短営業要請の一報を聞き、浦添市屋富祖でバー「カリス」を営むオーナーの松島朝也さん(41)は肩を落とした。明け方までだった営業時間を午前0時までに短縮し、ガイドラインに従いながら営業を続けていた。営業時間がさらに短くなることに「多くの飲食店が24万円ではカバーできないはずだ」と話す。3市に対象を絞った制限に対しては「他市町村に流れるだけではないか」と効果を疑問視した。協力金について「申請を簡単にし、支給をとにかくスピーディーにしてほしい」と求めた。

 沖縄市の居酒屋「かくれんぼ」の店主・松田明大さん(33)は時短の要請に「やっぱり出たか」とため息をついた。「クラスター発生の不安もある」として時短営業に協力する考えだ。「うちは小規模だが、規模の大きい店舗は大変だろう」とおもんぱかった。「Go To トラベル」の停止については「観光客と地元客のどちらも客足が遠のいてしまう。年末年始は例年の半分の売り上げになるだろう」とがっかりした。