年末年始の沖縄路線予約は3割減 減少幅夏季より縮小もGoTO停止でキャンセル広がる恐れ


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 沖縄関係路線を運航する航空5社は18日、2020年度の年末年始(20年12月25日~21年1月3日)の予約状況を発表した。5社合計の予約数は前年同期比31.2%減の35万2197人となっている。8~5割減と大きく落ち込んだゴールデンウイークやお盆時期の予約状況に比べ、減少幅は縮まっている。ただ、政府が年末年始の「GoToトラベル」停止を決めたことを受けて、予約状況にブレーキがかかっている。今後も予約のキャンセルが続くことが見込まれ、減少幅はさらに広がる可能性がある。

 年末年始の需要拡大に備えて、各社とも沖縄路線の提供座席数を前年並みまで戻していた。

 全国的な感染拡大を受けて航空需要の減少が出てきたことから、再び減便の動きが見られる。

 全日本空輸(ANA)の年末年始の予約数は前年同期比26.8%減の18万9845人となっている。提供座席数に対する予約率は57.3%で、前年より25.4ポイント低い。

 10月上旬の段階で前年の8~9割程度まで予約が埋まる状況だったが、新型コロナの感染者増を受けた札幌や大阪の「GoTo」停止を受けてキャンセルが出始めていた。全国一斉停止が発表され、さらに悪化している。

 当初、提供座席数は同5.7%増の33万1071席と前年を上回る座席を準備していたが、18日に各路線の減便を発表した。

 ANAの担当者は「人気がある路線なので提供座席数を増やしていたが、どんどん予約状況が悪くなっている」と話した。

 羽田、伊丹―那覇路線などを運航する日本航空(JAL)の予約数は、同38.4%減の6万5004人となっている。提供座席数は同1.3%増の12万3328席と増やしていたが、予約率は5割程度まで落ちている。

 日本トランスオーシャン航空(JTA)の予約数は同39.4%減の5万3953人。提供座席数は同0.1%増の11万5665席とほぼ前年並みで、予約率は同30.5ポイント減の46.6%となっている。

 GoTo停止の発表直前まで年末年始の予約は伸びていた。需要の回復に伴い12月からほぼ減便はなかったが、今後は検討せざるを得ないという。

 羽田―石垣路線の予約数は前年の8割程度と比較的高いが、今後下がる可能があるという。

 JTAの担当者は「GoTo停止の発表が急すぎて減便も間に合わない。(年末年始)間際でも予約は落ちていくだろう」と話した。

 県内離島を運航する琉球エアーコミューター(RAC)の予約数は同21.1%減の9721人となっている。