社会

基地前撮影に中止迫る 米軍と沖縄署 専門家は「違法」

         嘉手納基地の標識

 在沖米空軍の警備員が3日午後4時ごろ、沖縄市上地の米軍嘉手納基地第2ゲート前の公道で取材中のフリーランスのカメラマンに対し、申請せずにゲートの撮影はできないとして、撮影中止と映像の削除を求めた。米軍からの通報で現場に来た沖縄署の警察官も映像の閲覧と削除を要求した。

 米軍基地問題に詳しい新垣勉弁護士は「提供施設外からの基地内撮影であり何ら問題はない。復帰前は布令で基地内の撮影が禁止されていたが、復帰後は禁止されていない。撮影中止や削除要求は、まだ意識の切り替えが徹底されていないことを示すもので、違法だ」と指摘している。

 カメラマンはイエローラインから7メートルほど離れた米軍提供区域外の歩道からゲートを望遠レンズで撮影。警備員はゲートから出て、歩道上でカメラマンに撮影中止を求めた。撮影した素材を閲覧し、削除も要求した。

 15分後、「米軍から通報があった」として沖縄署の警察官2人が現場に到着。カメラマンによると、「基地を撮影してはいけないって常識で分かりませんか」と言い、身分証明書の提示や、連絡先、番組名、クライアントの責任者などを確認した。さらに映像の閲覧を求め、撮影した映像全ての削除も求めた。

 その10分後には私服警察官2人も現場に来て、映像の削除を求めた。カメラマンは削除要請には応じなかった。

 カメラマンは琉球新報、ヤフーニュース(東京)の共同制作作品の取材中で、ヤフーニュースの委託を受けて撮影していた。カメラマンは委託元のヤフーニュースのプロデューサーに連絡。警察官はプロデューサーとのやりとり後、「撮影自体も場所も問題ない」と撤回したという。

 ヤフーニュースの宮本聖二プロデューサーは「公道からの、正当な取材や撮影を妨げるもので、取材の自由を制限する遺憾な出来事だ」と話している。

 嘉手納基地の米空軍第18航空団は7日、本紙取材に「そのような事案は承知していない」と答え、報告がなかったことを示唆した。沖縄署は「現場で警察官が対応した事実はあるが、撮影しないように求めたり、映像を削除するよう求めたりした事実はない」としている。

※(19日午後2時30分)カメラマンが撮影していた地点をゲートから7メートルとしていたのを、イエローラインから7メートルに修正しました。また撮影していたのはゲートでした。訂正します。


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