正月用の県外出荷がピークを迎えている県産キクは、新型コロナウイルスの影響による需要や価格の落ち込みが懸念されたが、競合する海外産の輸入量が減っていることから国内市場の単価は上昇傾向にあるという。
21日、県花卉(かき)園芸農業協同組合のブランド「太陽の花」、JAおきなわのブランド「おきなわの花」がそれぞれ、年末商戦に向けてチャーターした貨物臨時便にキク類を詰め込んだ。キクは東京市場に運ばれ、全国各地で販売される。
「太陽の花」の12月のキク出荷数は、前年比9%減の15万4千ケース、出荷金額は13億3千万円を見込む。JAおきなわは同14%増の8万7千ケース、出荷金額は6億9千万円を見込む。台風による長雨で作付けが遅れたが、生育期に台風が少なかったことでおおむね順調な作柄になった。
JAおきなわによると、1本当たりの単価は40~45円で例年並み。4~5月にかけては新型コロナの影響で需要が激減し、10円台まで下がることもあった。正月用は家庭で消費されることが多く、巣ごもり需要もあって新型コロナの影響は少ないという。
一方で、新型コロナの影響による物流網の縮小で海外産キクの輸入量が減少し、JAおきなわによると海外産は例年より2割ほど少ない。