沖縄・伊平屋村で30人集団感染 スナックから拡大か 県内初の小規模離島クラスター 


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 県は24日、伊平屋村で同日までに10歳未満から60代までの計30人が新型コロナウイルスに感染し、大規模な集団感染が発生したと発表した。島外から来た感染者が村内のスナックに立ち寄り、従業員や地元客を通じ感染が広がったとみられる。県は県内43例目のクラスター(感染者集団)と認定した。感染者全員がフェリーで沖縄本島に移動し、病院や宿泊療養施設に入った。県内の小規模離島でのクラスターは初めて。

 今月12日に村内で1人の感染が確認され、14日に1人、16~19日に計6人、21日に7人、24日に15人と相次いでいる。県によると11月下旬に感染者1人が仕事で島外から訪れ、スナックに立ち寄った。12月上旬には村内で100人規模のイベントがあり、一部が2次会で同じスナックに足を運んだ。従業員と利用客の計5人が感染しており、その家族関係でも6人の感染が確認された。

伊平屋島の空撮

 伊平屋村には入院治療が可能な医療機関がない。県は県立北部病院の医師や県病院事業局の看護師を島に派遣し、PCR検査などを実施。23日に85人を検査し、24日に15人の陽性が判明した。この15人を含む感染者30人はいずれも軽症か無症状という。

 玉城デニー知事は24日、医療体制がぜい弱な小規模離島が県内に数多くあるとして「離島の感染対策は特に注意を払い、往来は慎重に判断する必要がある」と強調した。体調不良者は渡航中止や延期を検討するよう呼び掛けた。

 県内では24日、伊平屋村の15人を含めて10歳未満から90代まで男女48人の感染が確認され、累計は5095人となった。米軍関係は嘉手納基地4人、キャンプ・ハンセン5人を含む計10人の感染が報告された。

【動画】伊平屋村の大規模クラスター発生で知事会見