「人数の多さは被害の大きさ」 元裁判所職員 原告支え  第3次普天間爆音訴訟団幹事・比嘉さん


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那覇地裁沖縄支部に委任状を持って入った比嘉栄光さん=25日、沖縄市の同支部

 【中部】米軍普天間飛行場周辺の住民が米軍機の実質的な飛行差し止めなどを国に求め、25日に起こした「第3次普天間爆音訴訟」。18年前まで那覇地裁沖縄支部職員として勤めていた比嘉栄光さん(78)=宜野湾市=はこの日、訴訟団の執行部幹事として市民らの委任状を携え同支部に入った。「市民の思いを届けるという役目を果たすだけだ。そんなに複雑な感情とかはないよ」と穏やかな表情で語った。

 昨年8月に、島田善次団長に声を掛けられ、執行部幹事として原告らを支えている。宜野湾市に住むが、国が定めた騒音分布図(コンター)で、うるささ指数(W値)75以上の地域には含まれないため、原告としては参加していない。「裁判所は少し敷居が高いイメージがあるかもしれないから、37年間職員で勝手を知る私に声が掛かったのかもね」と推察する。

 2002年から続く訴訟について「原告が訴える爆音の原因である飛行差し止めについて裁判所は全く対応していない」と憤る。原告数が過去最多の4182人となった、第3次訴訟。「人数の多さは被害の大きさだ。原告は0歳から90代までいる。世代を超えても、被害が続いている」。静かな環境を求める強い思いは原告と変わらない。