首里城円覚寺で「美御水」奉納 来年の平和やコロナ収束願い


社会
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「美御水(ヌービー)」を奉納するノロ役の女性ら=27日午後、首里城の円覚寺総門前

 新年に向け、沖縄県国頭村辺戸の大川で取水した「若水」を首里王府に献上する「美御水(ヌービー)の奉納祭」が27日、那覇市の首里城円覚寺総門前であった。ノロ役の女性が浦添市沢岻の樋川(ヒージャー)で取った水を混ぜ合わせて奉納した。

 奉納は琉球王国時代、新年を迎えるに当たって王国の安寧(あんねい)と国王の健康長寿を願い行われた。旧暦12月20日に使者を辺戸に派遣して取水し、辺戸ノロが祈願をして同28日に円覚寺に保管。元日未明、王府に献上されていた。

 2018年までは、美御水を王府に献上する儀式も再現していたが、昨年の火災による首里城焼失に伴い、今年も奉納式のみが行われた。

 主催した首里観光案内所の山城岩夫代表(67)は「今年はコロナの収束も願いながら、来る年の健康や平和を願う奉納祭になった」と語った。