沖縄各地で新春闘牛大会 元日は今帰仁、2、3日はうるま


この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 2021年、沖縄闘牛の先陣を切って元日には新春北部大闘牛大会(主催・北部闘牛組合、共催・琉球新報社)が今帰仁闘牛場で開かれる。2日は新春華牛大闘牛大会(主催・胡屋闘牛組合、共催・琉球新報社)、3日は新春南部大闘牛大会(主催・南部闘牛組合、共催・琉球新報社)が、それぞれうるま市石川多目的ドームで午後1時から開かれる。入場料金は男性3千円、女性2千円、中高生千円、小学生以下は無料。 (平川康宏通信員)

二代目テスリ産業パンダ
赤道稲妻

軽量級の強豪対戦 1日、今帰仁闘牛場

【今帰仁】新春北部大闘牛大会のシーの一番は、沖縄軽量級界でトップクラスの実力を誇る強豪牛で元軽量級全島一牛の二代目テスリ産業パンダに対して、奇襲攻撃を得意とする赤道稲妻(元・新力稲妻)が挑む。なお、午後0時30分からは余興として「ちゃんぷるー」による民謡ショーも予定。

 

■(シーの一番)二代目テスリ産業パンダ×赤道稲妻

 二代目テスリ産業パンダは、長くて鋭くとがった角を武器に割り技、掛け技、腹取り攻撃と多彩な荒技を繰り出す元沖縄軽量級全島一牛だ。特に印象に残っているのは、18年8月に行われた第9回夏の全島大会。タイトル防衛4度の成功を遂げ、10連勝無敗と過去最強を誇った軽量級全島一牛の「琉神一輝」を撃破し、初の軽量級沖縄全島一牛の座を獲得した。しかし、同年11月に行われた第110回秋の全島大会でチャレンジ牛の二代目ひめゆりGOGOに惜敗して王座から陥落。しかし、敗戦後も全く意気消沈せず、ますます闘争心旺盛な人気花形牛として存在感を高めている。

 直近では、11月8日に行われた第113回秋の全島大会で強豪の無敗牛「天誠」を破る大金星を挙げ、活躍を見せている。沖縄での戦歴は10勝5敗。

 一方の赤道稲妻は横開きの長い角を使っての掛け技から強烈な腹取り攻撃を繰り出す徳之島産の人気花形牛だ。沖縄初戦は18年1月の新春南部大会。対戦牛の龍星泉をスピードのある腹取り速攻で圧倒。2戦目はラッキールパンに圧勝。続いて3戦目は来福琉輝と引き分けた。特に活躍が目立ったのは4戦目となる18年第9回夏の全島大会でのカルカトパンダ戦だ。強豪牛と評されていたカルカトパンダを得意の腹取り速攻で撃破し、19年2月の旧正月準全島大会では当時の軽量級全島一牛のひめゆりGOGOと優勝旗争奪を狙って挑戦したが敗北した。これを機に北部組合に移籍した。移籍初戦は19年3月の本部大会で、対戦牛の「くろ」を1分余で一蹴した。2戦目は優琉神炎炎嵐に敗北した。通算成績は7勝2敗1分け。

 赤道稲妻のスピード攻撃が、強靭(きょうじん)な首力を持つ二代目テスリ産業パンダの体勢を崩せるか注目したい。

 

 

沖縄全島一狙い激突 3日、うるま市石川多目的ドーム

 【うるま】新春闘牛大会の第3弾として南部大闘牛大会(主催・南部闘牛組合、共催・琉球新報社、特別協賛・シェラトン沖縄サンマリーナリゾート)は1月3日、午後1時から、うるま市石川多目的ドームで開かれる。注目のシーの一番は、沖縄最強の沖縄全島一牛の座を狙う、最有力牛の大獣王と(株)全勝工業勝進龍が激突する。

大獣王
(株)全勝工業勝進龍

 

■(シーの一番)大獣王×(株)全勝工業勝進龍

 大獣王は、湾曲して鋭くとがった角を武器に、強烈な割り技からの腹取り攻撃を繰り出す沖縄闘牛界最大級の超大型だ。初戦は2019年12月の具志川大闘牛大会。対戦牛の将龍成に戦意が無く不戦勝での初勝利。2戦目は20年1月3日に行われた新春南部大闘牛大会。対戦相手のマンモス一華剛に対して強烈な割り技からの腹取り速攻をさく裂した。対戦開始後わずか3分5秒で相手を撃沈する圧倒的強さを見せた。3戦目は同年11月の第113回秋の全島大会での神風ガン太戦。格上でスピード攻撃と定評のある神風ガン太を得意の腹取り速攻で撃破した。目下、破竹の3連勝と快進撃中だ。

 相対する(株)全勝工業勝進龍は、闘牛どころで知られるうるま市闘牛候補牛審査会で最優秀牛に選出された若手の有望牛だ。大獣王と同様に闘牛界有数の超大型牛にもかかわらず、闘牛としての天性の資質に恵まれ、沖縄全島一牛の座を狙える位置にあると期待される石川闘牛組合のホープ牛だ。

 鋭くとがった角を使っての掛け技から息をつかせぬ腹取りのスピード攻撃戦法を信条とする。これを実証したのは、初戦ながら11月に行われた第113回秋の全島大会での赤飯戦だ。赤飯は、徳之島でも活躍し元沖縄全島一牛の新力號を破った実績を持つ強豪牛。

 しかし、(株)全勝工業勝進龍の前には全く歯が立たず、わずか47秒で散っている。2戦目は12月6日に行われた具志川大闘牛大会での白王戦。白王が(株)全勝工業勝進龍の貫禄と威圧に圧倒されての不戦敗。闘牛には大相撲と同様に上位ランクと下位ランクとの格差が動物本能として明白である。相手を見て強いと思えば最初から戦意喪失するケースが多々見られる。
 2021年の沖縄全島一牛の座を狙う最有力牛同士の激突に注目したい。

 

■前売り券は4カ所で販売 

 1月2日にうるま市石川多目的ドームで開催されるリザンシーパークホテル谷茶ベイ杯新春華牛大闘牛大会(主催・胡屋闘牛組合、共催・琉球新報社)の取り組みについては、30日に掲載する。

 2、3日開催の闘牛大会の前売り券は、両大会ともに屋良闘牛ビデオ、国栄ビデオ、まんぷく食堂、キャッスルハイランダーで午後1時から5時まで販売している。男性3千円、女性2千円、中高生千円。12月30日まで販売。

 主催者側は、新型コロナウイルスの感染防止対策で、「3密」を避けるため事前に前売り券を購入し、住所、氏名、連絡先など必要事項をあらかじめ記入してスムーズに入場できるよう協力を求めている。問い合わせは沖縄県闘牛組合連合会の玉城事務局長(電話)090(5936)9594。